変化するセキュリティニーズに長期的に対応可能なフィジカルセキュリティプラットフォームを選択する方法
ベンダーロックインを回避し、組織の変化に合わせて、必要なときに必要な選択肢を自由に選べるフィジカルセキュリティプラットフォームの選び方を紹介します。
現在のニーズだけを基準にフィジカルセキュリティプラットフォームを選択すると、将来的に制約を受ける可能性があります。確かに、ほとんどのシステムは目の前の要件に対応できます。しかし、本当に重要なのは、状況が変化したときにどう対応できるかということです。特に、セキュリティプラットフォームがクラウドおよびサブスクリプションベースのモデルへと移行しつつある現在、この点はますます重要になっています。
変化は続く
組織は成長します。各種規制も変化します。新しいテクノロジーが登場します。予算は引き締められることもあれば、後に緩和されることもあります。導入当初はうまく機能していたプラットフォームでも、数年後には、気づかないうちに制約となることがあります。それは、プラットフォームに問題があったからではなく、そもそも変化に適応できるように設計されていなかったからです。
そこに、多くのフィジカルセキュリティの購入者が直面する問題があります。必ずしも間違ったシステムを選択したわけではありません。導入時のニーズには対応できても、時間の経過とともに変化するニーズへの対応が制限されるシステムを選択してしまうのです。
フィジカルセキュリティプラットフォームを評価する際、長期的な価値を左右するのは、ニーズの変化に応じてデバイスや導入形態を選択できる柔軟性です。
フィジカルセキュリティプラットフォームにおける選択肢とは
選択肢とは、言い換えれば柔軟性です。それは、時間の経過とともに意思決定を行い、必要に応じてその決定を見直すことができる能力です。
本質的な選択肢を提供するプラットフォームであれば、組織はニーズの変化に合わせ重要な決定を見直すことができます。特定の方法に縛られることなく、優先事項の変化に対応でき、システム全体をリプレイスする必要もありません。
最も重要な3つの意思決定
選択肢を評価する:長期的に意思決定の自由を保つ3つの原則
柔軟な導入オプションとオープンアーキテクチャに基づく統合化プラットフォームは、投資効果を最大化します。
原則1 — 導入の柔軟性
システムをどこで稼働させるかを選択し、必要に応じて変更できること。
組織ごとに、オンプレミス、クラウド、またはハイブリッド導入を選択する理由があります。データポリシー、リスク許容度、利用可能なリソース、拠点の状況など、さまざまな要因が関係します。多くの場合、これらの要因は拠点によって異なります。
市場は明らかに、複数の環境が共存する方向に進んでいます。Genetecの最新レポートによると、エンドユーザーの多くが、すでに現在の導入環境にクラウドソリューションを取り入れていると回答しています。また、多くのエンドユーザーが、今後5年間で、オンプレミスとクラウドサービスを組み合わせた環境、または完全なクラウド環境への移行を見込んでいます。
こうしたクラウドへの移行に伴い、ベンダーロックインについても検討する必要があります。システムが特定のプロバイダーのエコシステムにあまりにも密接に結びついている場合、同じプラットフォームを使い続けながら、導入モデルを変更したり、新しいテクノロジーを追加したり、他の拠点へ展開したりすることが難しくなります。
真の導入の柔軟性とは、単に複数のオプションを提供することではありません。拠点ごとに異なる導入モデルを組み合わせ、システムを再構成したり、特定のベンダーの製品やテクノロジーに制約されたりすることなく、時間の経過に合わせてシステムを進化させられることです。
例えば、中核となるインフラをオンプレミスに維持し、遠隔地の拠点にのみクラウドサービスを採用することから始めることができます。その後、状況が変化し、中核拠点にもクラウドサービスを追加することも可能です。プラットフォームは、大幅な見直しを強いることなく、こうした変更に対応できる必要があります。
導入方法を検討している場合は、ハイブリッド導入に関するこちらのブログ記事が、それぞれのモデルがどのようなケースに適しているかを判断する際の参考になります。
原則2 — オープンアーキテクチャ
現在のものを活かして次のステップへ
多くのエンタープライズ環境は、もともと複数のシステムを組み合わせて構成されています。拠点によって異なるデバイスが使用され、レガシーシステムと新しいテクノロジーが共存しています。すべてを一度にリプレイスすることは、現実的ではありません。
オープンアーキテクチャであることは、時間の経過に伴ってコンポーネントを変更できる柔軟性を維持するために重要です。これにより、コンポーネントの追加やアップグレード、異なるデバイスやシステムへの交換が容易になり、特定のベンダーのハードウェア環境に縛られることもありません。
オープンアーキテクチャのシステムは、無限の選択肢を提供するという意味ではありません。重要なのは、将来にわたって選択できる自由を維持することです。プラットフォームがクローズドまたは独自仕様の場合、コンポーネントを追加・交換する際に、妥協を強いられたり、既存システムのリプレイスが必要になったりすることが少なくありません。その結果、時間の経過に伴うシステムの進化が制限されます。
フィジカルセキュリティにおける『オープン』が実際に何を意味するのか、また、環境の変化に伴ってなぜ重要になるのかを詳しく知りたい場合は、こちらの詳細な解説をご覧ください。
原則3 — 統合化
システムが拡張されても管理は容易に
セキュリティ環境が拡大するにつれて、デバイスの増加、データ量の増大、さらなるシステム統合など、管理はより複雑になります。統合された基盤がなければ、こうした複雑な環境を管理することは困難になります。
システム連携とシステム統合を区別すると、その違いが明確になります。連携は、個別のシステム間の接続に依存します。接続数が増えるにつれて、あるシステムで障害が発生すると、他のシステムに影響を及ぼす可能性があるため、アップグレードやメンテナンスがより複雑になり、コストも増加する可能性があります。
統合は、それとは異なります。コアシステムが同一プラットフォーム上で連携して動作するように設計されています。運用面でのメリットは明確です。インターフェースの切り替えが減り、ワークフローの一貫性が高まり、アップグレードも容易になります。また、状況の把握が必要な場面でも、より迅速に対応できます。
導入決定前の簡単なチェックリスト
フィジカルセキュリティプラットフォームを選択する前に、次の実践的なポイントを確認してください。
- 拠点ごとにオンプレミス、クラウド、または部分的なクラウド導入モデルを組み合わせ、後から必要に応じて変更できますか?
- 既存のハードウェアを維持したまま、段階的に最新化を進めることができますか?それとも、全面的な交換が必要ですか?
- 将来的に、新しいテクノロジーを既存のインフラに簡単に統合できますか?
- 環境の拡張に伴って、アップグレードの複雑さも増加するでしょうか?
まだ選択肢を評価している段階であれば、この早見表を活用して、各種導入モデルと、それぞれが提供する可能性について確認してください。

妥協ではなく、選択できることが重要
フィジカルセキュリティ環境は常に変化しています。変更を前提として設計されていないプラットフォームは、将来的に問題の原因となる可能性があります。
長期的に選択肢を維持できるよう設計されたプラットフォームであれば、運用を中断することなく変化に対応できます。これにより、導入モデルを柔軟に見直し、新しい技術を取り入れ、システムを拡張しても、ゼロからやり直す必要はありません。
柔軟なフィジカルセキュリティプラットフォームを選択することは、現在の要件を満たすだけではありません。それは、将来にわたって意思決定の自由を維持することにつながります。
