業種別インサイト

クラウドの未来においてハイブリッドが注目される理由

2024年度フィジカルセキュリティ現況レポートから得られたインサイトをご覧いただき、組織がなぜハイブリッドクラウド型セキュリティへと移行しているのかをご確認ください。

Genetecは、4年連続でフィジカルセキュリティに関する現況調査を実施してきました。本調査により、業界のトレンドや課題、そして特に重要なエンドユーザーおよびチャネルパートナーが今後計画していることについて、有益なインサイトを収集することに成功しています。今年度は、世界各国から5,554名の業界専門家にご回答いただきました。

 

 

これまで、フィジカルセキュリティ分野におけるクラウドの導入は比較的緩やかに進んでいましたが、近年、その流れは加速しています。クラウドアーキテクチャに対する理解が進むにつれ、かつて指摘されていたサイバーセキュリティ上のリスクに対する懸念も徐々に払拭されつつあり、クラウド型のフィジカルセキュリティアプリケーションへの移行が進展しています。実際、フィジカルセキュリティのインフラがクラウドまたはハイブリッドクラウドで構成されていると回答したエンドユーザーの割合は、2022年度の24%から、2023年度には44%へと大幅に増加しました。

ハイブリッドクラウドの導入が普及している理由

現在、多くの組織にとって最適解となっているのは、オンプレミスとクラウドベースのソリューションを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャ (EN)です。多くの企業が、フィジカルセキュリティシステムの導入にあたって、オンプレミスとクラウドの双方を活用する構成を想定しています。

組織は、既存インフラへの投資を最大限に活かしながら、ハイブリッドアプローチを採用することで、コスト削減と運用効率の向上が可能であることを認識しています。実際、当社の調査では以下のような結果が明らかになりました。

  • 2022年度の調査では、回答者の58%がオンプレミス型セキュリティを使用しており、42%がクラウドまたはハイブリッドソリューションを選択していました。
  • 2023年度には、この傾向が大きく変化し、オンプレミス型を使用している回答者は33%に減少し、67%がクラウドまたはハイブリッドを選択するまでに増加しました。


この調査結果からは、インフラの最適化を進める中で、クラウドテクノロジーを検討するユーザーが、より高い柔軟性と効率性を求めていることが明らかになりました。

「クラウドソリューションを活用することで、当社のセキュリティアプリケーションのモニタリングやメンテナンスにおいて、クラウドサービスプロバイダの専門チームの知見を活かせるようになりました。その結果、社内チームの負担も大幅に軽減されています。」

回答者 (エンドユーザー)

ハイブリッドクラウドの導入により、クラウドベースのストレージや処理能力を柔軟に増減できるようになり、システム全体の俊敏性とスケーラビリティが向上します。これにより、セキュリティチームはリモートでシステムを管理し、データや映像へのアクセスを容易にコントロールできるようになります。また、クラウドへ移行しても、既存のオンプレミスインフラを継続して利用することが可能です。

ハイブリッド型クラウドセキュリティシステムの構成は、導入する環境や要件によって異なります。各組織のニーズに応じて、フィジカルセキュリティ設備のインストレーションを最適化できるほか、運用中のシステムに変化が生じても柔軟に対応できる拡張性を備えています。これにより、新たなテクノロジーの導入や、既存システムとの統合もスムーズに行えます。

組織規模とクラウド導入

クラウドベースのビデオ監視システムは当初、カメラ数台を備えた小規模な分散拠点を持つ、ファストフードチェーンやリテールバンク支店などの業種に導入されてきました。

しかし、2023年度の調査では、その導入傾向に変化が見られました。現在では、従業員数10万人を超えるような大規模企業においても、クラウド型ビデオ監視システムの導入が進んでいます。

また、規模を問わず多くの組織が、今後5年間でハイブリッドクラウドの導入が一層進むと予測しています。

クラウド導入とOPEX予算への影響

2023年度の調査によると、OPEX予算は今後も増加傾向が続くと見られています。エンドユーザーの62%が、2024年の予算が前年と同程度、または増加すると予測しており、減少を見込んでいるのはわずか15%にとどまりました。

2024年の支出計画において注目すべき点は、多くのクラウドソリューションが定期課金モデルを採用していることです。OPEX予算の増大は、クラウドやハイブリッドクラウドソリューションへの関心の高まりと密接に関係しており、同時にIT部門がフィジカルセキュリティの調達において、より大きな影響力を持つようになっていることを反映している可能性もあります。

詳細情報は、以下のレポート調査結果をご覧ください。

  • 組織によるサイバーセキュリティリスクへの対処方法
  • 世界中の組織が直面している最新の課題
  • 業界で急速に導入が進む注目のテクノロジーについて

 

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