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フィジカルセキュリティベンダーを選択する際にIT部門が考慮すべき点

このチェックリストを使って、ビジネスニーズ、技術的な互換性、サイバーセキュリティ、コンプライアンス、信頼性に基づいてフィジカルセキュリティベンダーを評価できます。 

組織では、人、データ、資産の安全を守るために、情報技術 (IT) のインフラに適した強固なセキュリティが必要です。フィジカルセキュリティベンダーを分析する際に使えるチェックリストは、次の通りです。

チェックリスト
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ビジネス上の連携

戦略上の適合性: ビデオ監視、入退室管理、自動ナンバープレート識別 (ALPR)、通信、フォレンジック、分析などを備え、組織の目標とIT戦略の整合性を強化できる総合プラットフォーム。

ステークホルダーのニーズ: 一元管理とリアルタイムモニタリングを可能にし、コラボレーションと情報に基づいた意思決定を促進するため、セキュリティチーム、コンプライアンス担当者、IT部門の要件に対応できるソリューション。

スケーラビリティ: 組織のニーズの変化に合わせてシームレスに拡張し、パフォーマンスを損なうことなく拡張計画に適応でき、オンプレミスとクラウド展開の両方に対応できるよう設計されたソリューション。

 

技術的な互換性

統合性: Active Directoryやさまざまなクラウドプラットフォームなどの既存のシステムとスムーズに統合でき、相互運用性と将来を見据えた投資相互運用性を持つオープンアーキテクチャ。

インフラ要件: 既存のインフラと新しいインフラの展開の両方に対応し、独自のハードウェアを必要とせずにオンプレミスクラウド、またはハイブリッドモデルを提供できる、柔軟性の高いソリューション。

 
 

相互運用性: サードパーティツールや新しいテクノロジーとシームレスに統合でき、組織固有のニーズに合わせてソリューションをカスタマイズできる堅牢なAPIフレームワーク。

 

セキュリティとコンプライアンス

データ保護: エンドツーエンドの暗号化と安全なデータ転送を実行することで、データの整合性とプライバシーを保護し、ネットワークとデータの潜在的なリスクを軽減する。

コンプライアンス: GDPR、NIS2、ISO 27001、CCPA/CPRA、EU AI法など (EN)の国際法と規格に準拠することで、ベンダーソリューションはセキュリティとデータ保護の厳しい要件を確実に満たす。

承認および認証: ロールベースの承認と多要素認証を用いてユーザーのアクセス権をカスタマイズすることで、システムやデータへの不正アクセスのリスクを軽減し、サイバーセキュリティのベストプラクティスに従う。

監査とロギング: 包括的な監査証跡とアクティビティログ機能により、監視、レポート、コンプライアンスが簡素化され、透明性と説明責任を維持する。

サイバーセキュリティ:クラウド製品のポートフォリオとそれを管理する情報セキュリティ管理システムに対するシステムおよび組織管理 (SOC 2) タイプII監査を完了している (ISO/IEC 27017およびISO/IEC 27001サイバーセキュリティ認定の全リストについてはこちら (EN)をご覧ください)。

 

信頼性とパフォーマンス

稼働時間とSLA: ベンダーが、サービス内容合意書 (SLA) を締結し、稼働時間を保証する高可用性と、中断のないセキュリティ運用を保証している。

フェイルオーバーと冗長化: フェイルオーバーメカニズムの自動化と障害回復戦略は、予期せぬイベントが生じた場合にデータを保護し、円滑な運用を維持するために、フィジカルセキュリティプラットフォームに欠かせないものである。

負荷容量: 水平方向および垂直方向に拡張できるプラットフォームにより、パフォーマンスを低下させることなく組織の拡張に合わせた大規模な展開に対応できる。

 

コストとROI分析

総所有コスト (TCO): ライセンス付与、実装、メンテナンスにかかるコストを含む透明性の高い価格構造により、管理の統合化と運用コスト低減による長期的なコスト削減を実現できる。

投資収益率 (ROI): ベンダーのソリューションが、インテリジェントな分析と自動化を利用して、運用効率の向上とリスク軽減の強化を実現し、測定可能な利益をもたらす。

ライセンスモデル: サブスクリプションベースや永久ライセンスなどの多様なライセンスオプションが提供され、組織の財務戦略に合うモデルを選択できる。

 

ベンダーの評判と評価

評判と安定性: ベンダーが財務的に安定しており、信頼できるフィジカルセキュリティソリューションのグローバルプロバイダーである。

サポートとメンテナンス: 24時間週7日の技術サポートと顧客専用のポータルが提供され、顧客のニーズに合わせカスタマイズされた強力なサポートサービスが確実に受けられる。

ロードマップ (EN): 継続的な改善への取り組みが、進化するセキュリティとサイバーセキュリティの課題に対処する新機能を組み込んだソフトウェアの定期的なアップデートに反映されている。

参考資料と導入事例: 多様なセキュリティニーズに対応できるベンダーの能力を示す、各種業界における導入事例が紹介されている。

 

実装とユーザーによる導入

導入の複雑性: ベンダーが、クライアントと緊密に協力して詳細な実装計画を策定し、運用中断を最小限に抑え、導入の効率化を図れる。

トレーニングとドキュメンテーション: 実践的なトレーニングセッションやオンラインリソースへのアクセスを含む (EN)包括的な研修プログラムにより、顧客は簡単にシステムを管理し、効果的に運用できる。

変更管理: 移行と新しいセキュリティソリューションの導入を円滑に行えるよう、変更管理を協働で行っている。

 

決定基準

リスク評価:ベンダーが、ネットワークとデータに対する潜在的なリスクを特定かつ軽減するための事前予防的な脆弱性管理とインシデント対応プロトコルを採用している。

パイロット検証: ベンダーが、本格的な展開をする前にソリューションのパフォーマンスと適合性を検証するパイロットプログラムを実施しており、組織は特定の環境内でシステムを評価できる。

チェックリスト
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よくある質問 (FAQ)

評価の高いベンダーでは、しっかりした社内プロセスとサイバー体制が整備されており、ISO 27001、UL 2900-2-3、SOC 2などの国際標準に準拠し、NIS2、GDPR、CCPA/CPRA、HIPAAなどの規制を遵守しています。また、エンドツーエンドの暗号化を実装し、コンプライアンスを監視する監査証跡も備わっています。

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データ保護とプライバシーに関する規則に対応する方法

中断のないセキュリティ運用を維持するために、保証された稼働時間、フェールオーバーメカニズム、冗長性戦略を定めたサービス内容合意書 (SLA) があるか確認します。

詳細については
Genetec Trust Centerをご覧ください

クラウドソリューションはスケーラビリティとリモートアクセスを可能にし、オンプレミスシステムではデータ管理を強化できます。ハイブリッドモデルは、双方の利点をバランスよく活用できます。

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お客様に最適なのはクラウドセキュリティか、あるいはハイブリッドクラウドセキュリティか?

通常、ビデオ管理システム (VMS) ソフトウェアはオンプレミスサーバーでインストールかつホストされます。Video surveillance as a service (VSaaS) ソフトウェアソリューションは、クラウド環境でホストおよび管理されるため、オンサイトのインフラはほとんど必要ありません。

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VMSとVSaaSの導入に関する詳細

アプリケーションプログラミングインターフェイス (API) は、さまざまなソフトウェアアプリケーション間での通信とデータ交換を可能にする一連の規則とプロトコルです。強靭なAPIフレームワークを利用すると、他のビジネスアプリケーションとのシームレスな統合、自動化とカスタマイズが可能になるため、組織固有のセキュリティニーズを満たすことができます。

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Genetec DAPプログラムを使った統合とカスタムアプリケーションの構築

ベンダーの信頼性の指標としては、財務の安定性、業界での長期的な存在感、ケーススタディ、顧客による評価、継続的な製品アップデートを確認します。また、システムおよび組織管理 (SOC) と情報セキュリティ管理システム (ISO/IEC 27001) を完備しているベンダーは、データ保護、リスク管理、および運用の卓越性に注力しているベンダーです。

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信頼できるベンダーを選択する方法

円滑に導入を進めるには、ベンダーは詳細な実装計画、技術サポート、トレーニングリソース、変更管理戦略を提供する必要があります。

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展開のベストプラクティス

TCOには、ライセンス料金、ハードウェア調達、実装コスト、メンテナンス、トレーニング、効率性の向上とリスク軽減による潜在的なコスト削減が含まれます。実装コストだけでも、ソリューションの設計、製品の調達、システムのインストールと設定に関連する人件費が含まれます。メンテナンスには、ハードウェアの交換や将来のシステム拡張およびアップグレードも含まれる場合があります。

パイロットプログラムを活用すると、組織は実際の環境でソリューションを評価し、ソリューションがパフォーマンスの期待値を満たし、運用上のニーズに一致するかどうかを確認できます。

IT部門とフィジカルセキュリティ部門の連携は、より包括的で回復力の高いセキュリティ体制を構築する上で非常に重要です。この連携により、組織はより適切に脅威を特定、防止し、それに対応できるようになると同時に、情報の共有を促し、セキュリティポリシーの統一を強化できます。

レポート
ITとセキュリティの融合に関するレポート

ゼロトラストセキュリティ戦略とは、デフォルトでは誰も何も信頼できない存在とみなし、場所や認証情報に関係なく、常にアクセス要求が検証されることを意味します。

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フィジカルセキュリティのゼロトラスト戦略

これらの証明書を取得していることは、ベンダーがデータのプライバシーとセキュリティに注力していることを示し、業界および政府の要件を満たしていることを意味します。また、ベンダーはこの証明書を利用してセキュリティリスクを特定して軽減することもでき、セキュリティ侵害の低減とそれに関連するコストの削減につながります。これらの証明書を維持するには、継続的なメンテナンスと改善が必要であり、ベンダーのセキュリティ管理は常に最新かつ効果的な状態に維持されます。

リソース
証明書一覧 コンプライアンスセンター

VMSは、学校がビデオ監視映像をリアルタイムで監視および管理できるプラットフォームです。学校内の様子を包括的に見えるようにすることで、セキュリティインシデントを迅速に特定し対処できます。これにより、学生とスタッフにより安全な環境を確保できます。

ホワイトペーパー
ITとフィジカルセキュリティの統合への道を模索する

オープンアーキテクチャのフィジカルセキュリティシステムは、メーカーにかかわらず、さまざまなサードパーティソリューション、デバイス、ハードウェアコンポーネントをシームレスに統合できるように設計されています。この柔軟性により、組織はひとつのベンダーのエコシステムに縛られることなく、独自のニーズに合わせてカスタマイズした最善のシステムを構築できます。

オープンアーキテクチャは、長期的な投資保護も可能にします。テクノロジーが進化し、運用要件が変化すると、組織はインフラ全体の見直しをしなくても、コンポーネントを追加または交換することでシステムを適応させることができます。この方法を取り入れると、ベンダーへの依存度が軽減され、総所有コストを削減し、組織の拡張やセキュリティニーズの複雑性に応じて拡張できます

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オープンアーキテクチャが統合セキュリティの基盤となる理由

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