プライバシー

プライバシーマスキング、リダクション、動画の匿名化の違いを認識する

静的プライバシーマスキングと動的プライバシーマスキングの違いとは? リダクションとの違いとは?匿名化の手法等を詳しく知る。

Florian Matusek
Director, AI Strategy

フィジカルセキュリティにおいてプライバシーが重要な理由

近年、プライバシーが頻繁に議論されています。それに伴い、世界各国の政府は、個人情報の収集、保管、利用に対する企業の説明責任を求める新しいプライバシー法を制定しています。

欧州連合のGeneral Data Protection Regulations (GDPR)、California Consumer Privacy Act (CCPA)から、カナダのPersonal Information Protection and Electronic Documents Act (PIPEDA)、シンガポールのPersonal Data Protection Actまで、世界中で新しいプライバシー法が制定されています。

プライバシー法の多くは重大な罰則が伴うため、プライバシーの確保は重要事項となっています。例えば、ビデオ監視自動ナンバープレート識別、その他さまざまなセンサーを使用するフィジカルセキュリティソリューションにおいても、組織のセキュリティ保護と個人のプライバシー保護のバランスを取ることが重要です。ここで、プライバシーマスキングが効果を発揮します。

インフォグラフィック
プライバシーが侵害された場合の世界各国の罰則を詳しく見る

プライバシーマスキングとは

フィジカルセキュリティにおけるプライバシーマスキングとは、監視システムの機能で、カメラが捉える視野内で特定の領域を隠すことを指します。これは、監視対象スペース内の個人のプライバシーや機密情報を保護するためのものです。プライバシーマスクを適用することで、ビデオフィード内の特定のゾーンやオブジェクトを意図的に隠し、表示や録画がされないようにすることができます。

この機能は、公共スペースや刑務所など、法的または倫理的にプライバシーが重要視される環境で特に重要です。

プライバシーマスキングの種類について詳しく見ていきましょう。

ビデオ監視における静的プライバシーマスクと動的プライバシーマスクの違いについて説明します。

プライバシーマスキングには、主に静的と動的の2種類があります。

従来のプライバシーマスキングは、画像やライブビデオフィードの特定のエリアを複数のブロックに分けてマスクします。通常、これはカメラで直接行われ、レジの上からクレジットカード端末のキーパッドを非表示にするために使われています。

動的マスキングは、動く物体や人物のプライバシーを守るために、それらをぼかしたり匿名化する技術です。それ以外の部分は通常通りビデオフレームや画像に表示され、オペレータは状況を確認できます。これにより、アイデンティティを確実に保護しながら、現状の監視が可能です。

リダクションとプライバシーマスキングの違い

施設でプライバシーマスキングを実装することは、ビデオ監視映像に伴う懸念を解消する効果的な方法です。

しかし、現場の担当者がボディカメラ (BWC) の映像を外部の関係者と共有する必要がある場合、どうすればよいのでしょうか? その場に居合わせた人や目撃者の顔、ナンバープレートなどの情報を編集してからファイルを送信する必要があるかもしれません。

リダクションは、録画後に動画の特定部分を削除またはぼかす後処理法です。これは、機密情報を保護しながら、証拠や情報開示のためにビデオ映像を共有する際によく使われます。

リダクションはプライバシーマスキングとは異なり、リアルタイムではなく、編集やエクスポート時に実行する後処理です。これにより、プライバシーの懸念に遡及的に対処できます。例えば、ナンバープレートを表示し顔は隠した状態で駐車場に車が入る様子を捉えたビデオ映像を共有する際にリダクションを適用します。

Genetec Clearance™などのデジタル証跡管理システム (DEMS) を利用すると、ビデオの編集の時間を大幅に短縮できます。顔検出機能で顔を検出し、必要に応じてマスクを手動で調整するだけですみます。

データ保護戦略におけるプライバシーマスキングの役割

プライバシーが設計に組み込まれたソリューション (EN)を選ぶことで、法令順守を強化できます。これにより、組織はセキュリティ運用の開発を続けながら、必要に応じて複数層のプライバシーとデータ保護手段を追加できます。

GenetecのTrust Centerで採用されている、サイバーセキュリティおよびプライバシー対策についてご覧ください。

特にビデオ監視アプリケーションについては、プライバシーマスキングの導入を検討してください。プライバシーマスキングは、ライブ映像や録画映像の一部を非表示または匿名化します。例えば、カメラが公衆トイレに向けられている場合、トイレの入口を非表示にして、施設を使用する人のプライバシーを保護しながら、残りの部分を監視できます。これにより、オペレータは個人のプライバシーを尊重しつつ、環境を積極的に監視できます。

動画の匿名化でプライバシー保護を最高水準に引き上げるには

マスクの作成方法を理解することは、プライバシー保護戦略に直接影響します。アプリケーションによっては、動画再生時にユーザーインターフェース側にオーバーレイを適用するだけのものがあります。この場合、アーカイブには元の動画がマスキングなしで保存されることになります。

データ保護の観点から、これは危険です。個人情報が含む動画がそのまま保管され、サーバーからユーザーに転送されるため、この接続が傍受されると個人データにアクセスされる可能性があります。

動的な動画匿名化ソリューション (EN)を選ぶことで、プライバシー保護の効果を高めるマスキングが可能です。マスキングされた動画では、個人のアイデンティティは完全に消去され、プライバシーマスキングを施したままエクスポートできるため、規制にも準拠できます。

マスキングなしの動画は、ユーザーに情報へのアクセス許可が付与された後にのみ、元の動画ストリームに切り替えて取得できます。このストリームは、アーカイバーで完全に暗号化され、必要なセグメントのみがネットワーク経由で転送されます。

この方法では、潜在的な脆弱性にさらされる情報の量が限定されるため、プライバシーコンプライアンスを管理できます。

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