フィジカルセキュリティにおけるSaaS、PSaaS、VSaaS、ACaaSとは?
サービスとしてのソフトウェア (SaaS)、フィジカルセキュリティ (PSaaS)、ビデオ監視 (VSaaS)、アクセス制御 (ACaaS) は、フィジカルセキュリティ業界で広く利用されているクラウドベースのサービスです。

これらのサービスは、クラウド管理のアプライアンスと接続することで、クラウドネイティブなセキュリティソフトウェアを簡単に導入でき、オンサイトでの追加ストレージや処理も柔軟に実現できます。その方法の詳細について
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SaaSソリューションとは
サービスとしてのソフトウェア (SaaS) とは、ソフトウェアがサブスクリプションベースでライセンス付与され、一元的にホストされるソフトウェアライセンスおよびクラウドのデリバリーモデルです。SaaSは、オンデマンドソフトウェア、Webベースソフトウェア、Webホスト型ソフトウェアとも呼ばれています。
SaaSアプリケーションには、ウェブブラウザやモバイルアプリを通じて、インターネット経由で簡単にアクセスできるため、ローカルへのインストールやアップデート作業は不要です。サーバー、ストレージ、ネットワーキングやアップデートに至るまで、SaaSソリューションの提供に関わるすべてのインフラとバックエンド管理はベンダーが担当します。
このような特徴から、SaaSはあらゆるビジネスアプリケーションにとって理想的なデリバリーモデルとなっており、アカウントを作成し、サブスクリプション料金を支払うだけで、利用を開始できます。
実際、多くの組織では、メール送信、カレンダー管理、ファイルの保存・共有、グラフィックデザインや動画編集、マーケティングリソースやプロジェクト管理、生産性やワークフローの向上など、さまざまな業務にSaaSアプリケーションを活用しています。
フィジカルセキュリティ業界においても、SaaS型ソリューションは一般的に採用されており、統合型フィジカルセキュリティ、ビデオ管理、入退室管理などが含まれます。クラウド管理アプライアンスを活用することで、エッジからクラウドへの接続が容易になり、さまざまな用途や要件に柔軟に対応することが可能です。
フィジカルセキュリティにおけるSaaSモデルのメリット
as-a-serviceモデルは、従来のオンプレミス型インフラとは異なり、サーバーなどのハードウェア資産の調達・設置・管理・保守が不要になる点が、大きな特徴です。アジリティ、アクセシビリティ、そしてサイバーセキュリティの向上など、数多くのメリットがあります。
SaaSモデルを採用した組織は、システムを迅速に稼働させることが可能です。クラウド対応のカメラやリーダー、あるいはクラウド管理アプライアンスは、インターネットを通じてSaaSソリューションに簡単に接続できます。Webベースのアプリケーションにログインするだけで、カメラ映像の確認、入退室アクティビティの管理、その他のセキュリティタスクをスムーズに実行できます。
プロバイダは、SaaSソリューションに対して修正や更新を自動的にプッシュできるため、セキュリティシステムの維持に必要な諸経費とリソースを大幅に削減できます。常に最新のサイバーセキュリティ機能や製品機能強化を利用できる点も、大きなメリットです。
SaaSソリューションは場所を問わず導入できますが、特に以下のような状況において高い効果を発揮します。これには、以下のような事業やサイトに求められる基準が含まれます。
- クラウドへの移行を検討している、あるいはクラウドファーストのポリシーを採用している
- 自動更新やイノベーションへアクセスできる利便性を重視している
- ハードウェアの設置スペースが限られている、または省スペース化を目指している
- ハードウェアの保守作業を避けたい、またはそれに割くリソースがない
- セキュリティ投資においてOpEx予算を活用したい
- 急速な事業拡大や戦略変更に柔軟に対応できる拡張性の高いシステムを必要としている
- Webクライアントやアプリを活用し、多様なユーザーへのアクセス権限を簡単に管理・拡張したい
PSaaSとは?
サービスとしてのフィジカルセキュリティ (PSaaS)セキュリティ (as a security as a service)モデルとして提供される、包括的なフィジカルセキュリティソリューションです。入退室管理、ビデオ管理、フォレンジック検索、侵入監視、自動化など、多彩で高度なセキュリティ機能を統合的に提供します。PSaaSソリューションは、相互に接続されたSaaS型エクスペリエンス内で、エンタープライズ グレードの機能を活用できる点も特徴です。

PSaaSソリューションの最大の特長は、中核となるソリューションとして統合されたフィジカルセキュリティを提供していることです。これにより、複数のクラウドベースの動画や入退室管理システムを個別に管理する必要がなくなり、より計画的かつ効率的にセキュリティ体制を構築できます。PSaaSソリューションは、さまざまなセキュリティアプリケーションにまたがるクラウドおよびas-a-serviceモデルのメリットを、一つに統合したソリューションです。たとえば、最初はビデオ監視アプリケーションのみを導入し、後から入退室出管理、侵入検知、その他のシステムを段階的に追加することが可能です。すべては、使いやすい単一のアプリケーションからアクセス・管理できます。
PSaaSを活用することで、複数のセキュリティシステムを個別に維持・管理する負担を軽減でき、その分、他の運用目標やビジネス目標に注力できるようになります。
また、システムの更新やメンテナンスをプロバイダーに委託できるため、初期導入費用を抑えつつ、コスト予測もしやすくなります。これにより、チームメンバーはより重要なタスクに集中できる時間を確保できます。
さらに、オープンかつ柔軟性の高いPSaaS ソリューションを選択すれば、組織の変化にもスムーズに対応できます。アプリケーションに最適なデバイスを自由に選択できるほか、クラウド管理のアプライアンスを利用して既存のセキュリティシステムを統合することも可能です。
柔軟性なPSaaSアーキテクチャ (EN)を活用することで、一部のサイトはクラウド上に、その他のサイトははオンプレミスでホストされるといったハイブリッド型のフィジカルセキュリティ展開が可能になります。これにより、組織は特定のサイト、業界、または地域ごとの要件に応じて最適なソリューションを選択・適用できます。
PSaaSの主なメリット
すべてを一元管理できる |
単一のクラウドプラットフォーム上で、動画、入退室管理、侵入、通信などの主要機能を利用できます。さらに、組み込み分析、自動化、マップ、レポート機能を通じて、あらゆるセキュリティ業務を可視化し迅速に監視、応答、追跡できます。
システムを迅速に実行・稼働できる |
拡大・戦略変更にも柔軟に対応できる俊敏性が得られ、世界中どこでも新しいサイトを迅速に立ち上げることが可能です。また、パフォーマンスやリソースに影響を与えることなく、クラウド軽油でユーザー、ストレージ、接続デバイスの数をすばやく拡張できます。
どこからでもセキュリティ管理ができる |
コマンドセンターでも、オフィスでも、Webまたはモバイルアプリを使えば、すべてのタスクをリモートで実行できます。デバイスの登録、設定、複数サイトの監視まで、あらゆる管理業務を効率化できます。
サイバーセキュリティとレジリエンスを強化できる |
クラウドから自動的にアップデートや修正が適用されるため、メンテナンスの手間を大幅に軽減し、サイバーレジリエンスを強化できます。クラウドソフトウェアプロバイダが提供する高度な脅威検出機能に加え、サードパーティによる定期監査により、確実に規制遵守ができるようになるため、コンプライアンスへの準拠も確実になります。
即時にイノベーションにアクセスできる |
常に進化し続けるPSaaSソリューションの最新機能や新製品リリースに継続的にアクセスできます。
段階的なクラウドへの移行が可能 |
これまでの投資を活かしながら、独自のペースでクラウド環境へ移行し、フィジカルセキュリティ展開を拡張できます。クラウド対応接続デバイスの追加、既存のハードウェアの活用、オンプレミスサイトとの接続など、単一の直感的なクラウドインターフェイスから一元管理できるます。
VSaaSとは ?
サービスとしてのビデオ監視 (VSaaS)とは、テクノロジーベンダーによってサブスクリプション形式で提供されるクラウドネイティブなビデオ監視ソリューションです。VSaaSソリューションは、SaaSモデルのメリットを備え、クラウドの利点を最大限に活用するよう設計・最適化されています。
VSaaSは、完全なクラウド展開を行う場合、クラウドに直接接続されたカメラやデバイスを使用しますが、選択肢はそれだけではありません。例えば、クラウド管理のアプライアンスを使用すれば、既存のカメラをVSaaSソリューションに接続することが可能です。このようなハイブリッド展開は、段階的にクラウドへ移行したいが、既存のテクノロジー投資をすべて入れ替える準備がまだ整っていない顧客にとってメリットとなります。
VSaaSソリューションのメリット
VSaaSのメリットには、迅速な導入が可能、Webベースのビデオ管理によりいつでもどこでもアクセス可能、柔軟なクラウドストレージに対応、自動更新により常に最新の状態を維持、大規模なスケーラビリティにより、将来的な拡張にも容易に対応などがあります。
VSaaSには動画特有の高度な機能も多数組み込まれています。フォレンジック検索、動画の匿名化、コラボレーションと共有機能、データ保護と冗長性機能などの有益な機能が組み込まれています。これらの機能を活用することで、監視、調査、インシデント対応の業務をより迅速かつスマートに遂行できます。
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ACaaSとは ?
サービスとしてのアクセス制御 (ACaaS)とは、テクノロジープロバイダがサブスクリプションベースのサービスで提供するクラウドネイティブな物理的入退室管理ソリューションです。
クラウド管理に対応したインテリジェントコントローラーやアプライアンスを活用することで、多様なアクセスリーダーやデバイスを容易にACaaSソリューションへ接続できます。これにより、システムの展開が大幅に簡素化され、拠点に関係なく、認証情報やカード所有者の管理をリモートで実施できます。
ACaaSソリューションのメリット
ACaaSソリューションのメリットには、入退室管理アプライアンスの登録・設定を迅速かつ直感的に実施できる、遠隔からの建物への入退室監視やドアのロックダウンが可能である、継続的な更新とイノベーション、高い信頼性を備えたスケーラビリティ、そして強化されたサイバーセキュリティが挙げられます。システムは常に自動的に同期されるため、手動による設定ミスのリスクが大幅に軽減されます。アクセス権限は、セキュリティポリシーに基づいて、自動的に更新・割り当てられるため、オペレータの介入を必要とせず、効率的かつ一貫性のあるアクセス管理が可能です。
最新のACaaSソリューションを導入することで、物理的な身分証明、入退室および訪問者管理、占有状況の追跡、さらにはサードパーティとの連携といったエンタープライズグレードの機能をすぐに利用できます。
これらの内蔵型ツールを使用すると、ユーザーはドアの利用状況やカード保有者のアクティビティを容易に監視でき、入退室管理のレポート作成や監査も自動化されます。、これにより、組織のコンプライアンス体制が強化されるとともに、従業員および訪問者に対するエクスペリエンスも向上します。
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クラウド管理されたデバイス
クラウド管理のアプライアンスとは、クラウド経由でリモートから管理可能な専用デバイスであり、エッジ側に処理能力とストレージを提供しながら、クラウドベースまたはクラウドネイティブのソフトウェアと容易に接続できます。
クラウド管理のアプライアンスは、ビデオ監視や入退室管理のインストールだけでなく、侵入と通信など、その他のフィジカルセキュリティアプリケーションにも対応可能です。プラグアンドプレイ方式で提供されるため、迅速かつ簡単にインストールできます。
クラウド管理のアプライアンスを活用することで、ハイブリッドクラウド環境の構築が容易になります。これは、既存のクラウド非対応デバイスとSaaSソリューションをリンクさせるクラウドブリッジとして機能し、両者の統合を実現するためです。これにより、既存の設備投資を継続的に活用しながら、システム、メンテナンス、サイバーセキュリティ対策を単一のSaaSソリューションから一元管理することが可能になります。
また、クラウド管理デバイスは、アップデートや修正パッチがクラウドから自動的にプッシュされるため、常に最適化かつ保護されるため、現場での作業を軽減できます。
クラウド管理のアプライアンスを導入することで、システム全体の冗長性の向上、帯域幅の最適化やエッジ側での処理能力強化も実現できます。そのため、ネットワークやシステム要件に制約がある場合でも、クラウド管理のアプライアンスを活用することで、あらゆる環境におけるインストールを最適化できます。
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PSaaS、VSaaS、ACaaSとハイブリッドクラウド展開
機能をクラウドに拡張することで、組織のニーズや用途に応じて、オンプレミス、クラウド、あるいはその両方を組み合わせたハイブリッドのフィジカルセキュリティソリューションを柔軟に選択できるようになります。また、SaaSのデリバリーモデルの採用により、データ保護、システムの柔軟性、コスト削減といった多くのメリットを享受できるだけでなく、新機能やイノベーションへの継続的かつ迅速なアクセスも可能になります。
クラウドソリューションの詳細をご覧ください:
- Security Center SaaS統合されたサービスとしてのフィジカルセキュリティ
- サービスとしてのビデオ監視
- サービスとしてのアクセス制御
- Genetec Cloudlink™ 310 マネージドアプライアンス
- Synergis™ Cloud Link intelligent PoEデバイス
- Axis Powered by Genetecクラウドへの直接接続コントローラー
